武雄市のはずれ、のどかな住宅地の丘の上に立つ平屋。

重機をもってしても掘削困難なほどの硬い岩盤と、いびつな形状、高低差、などなど計画のしがいのある敷地であり、それらをクリアしながらどのような魅力が生み出せるかと、考えを巡らせました。住宅設計は、安く、だれも目を付けないような土地であっても、数ある問題を建築で解決することができる可能性を秘めており、腕の見せ所であると考えています。

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今回は、玄関、和室にあたる部分のみを高基礎として計画し、なるべく、無駄な擁壁や造成工事が出ないよう気を付けました。よくみる住宅地のように一度擁壁をつくり、盛土造成を行うよりも、より土地に根差した風景を作りたかったのです。

かつ、少しでも自然なアプローチになるようエントランスの床レベルを地面に近づけるため、キッチンまでを含めた玄関、和室部分は床レベルを下げることにしました。これは、対面キッチンをダイニングとして利用することも考慮しています。

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​全体をシンプルな大屋根とし、廊下を限りなくなくしたプランとし、床面積は24坪までコンパクトにしました。大きな土間テラスと掃き出し窓の抜け感により、まったく狭さは感じません。